写真家:田尾敏郎さん
一枚の写真から 掘り出された巨石

佐倉を象徴するものを求めてさまよっていた。歴博の構図を探し、建物の周りを散策していた。明治の俳人、正岡子規の句碑を左に見る。

「常磐木や冬されまさる城の跡」子規もここを歩いたのだ。
木立の並ぶ野原にでた。やはり城址に佐倉の面影を見いだせたらと、歴博の建物を振り返りながら間合いを考え、進んでいく。すると小高くなった丘に石の列がみえた。薄汚れた看板に説明書きがある。佐倉城礎石。礎石とは建物の土台となり、柱を支える石のこと。十七世紀初頭以来、佐倉城を支えていた礎石は明治以後は兵舎を支え、歴史民俗博物館の建設のときに発掘された。これだ、と感じた。
江戸期から佐倉城を、明治から昭和の戦乱には兵舎を支えてきた礎石たち。地上へ顔を出し、これからも佐倉の歴史を刻むその姿に数日後レンズをむけた。暁の澄んだ空気の中、静かにたたずむ礎石たちの姿が浮かび上がった。



現在。問いかけるように石に触れる人々。


本丸跡の一角に立つ正岡子規の句碑。


戦前の佐倉城址は軍隊の兵舎だった。
当時の正門の風景。
(所蔵/佐倉市)